東京都新宿区の商業施設「新宿アルタ」が、2025年2月28日をもって閉館しました。新宿駅東口前のシンボル的存在であったこの施設は、1980年の開業以来、多くの人々に親しまれてきましたが、時代の変化とともにその役割を終えることとなりました。
特に「新宿アルタ」といえば、フジテレビ系の国民的バラエティ番組「森田一義アワー 笑っていいとも!」の公開生放送が行われていた「スタジオアルタ」があったことで知られています。「いいとも!」終了後も、多くの若者や観光客が訪れる待ち合わせスポットとして、その存在感を放ち続けていました。
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「笑っていいとも!」の聖地、新宿アルタの歴史
新宿アルタは1980年に開業し、ファッションビルとしての役割を担いながらも、1982年から2014年まで続いた「笑っていいとも!」のスタジオとして、全国的にその名を知られるようになりました。
番組の放送期間中、平日正午になると「タモリ」が司会を務める生放送が行われ、数多くのゲストが登場し、時代を彩る名場面が生まれました。また、番組終了後も「スタジオアルタ」はイベントスペースや収録スタジオとして利用され続けていました。
タモリは、番組最終回の際に「私はアルタで30代から60代までを過ごしました」と発言し、新宿アルタが自身の人生において大きな意味を持つ場所であったことを語っています。
閉館に際し、著名人やファンから惜しむ声
新宿アルタの閉館が発表されると、SNS上では「アルタ前でよく待ち合わせしていた」「いいとも!を見に行った思い出がある」などの声が溢れ、惜別の声が相次ぎました。
また、閉館当日には多くのファンがアルタ前に集まり、ビルの写真を撮影したり、「いいとも!」に関連する話をしたりする姿も見られました。
「新宿アルタ」閉館の背景
1. 商業施設としての役割の変化
新宿アルタは、かつては若者向けのファッションビルとして人気を博しましたが、近年はテナントの撤退が相次ぎ、営業面での厳しさが増していました。
2. テレビ業界の変化
「笑っていいとも!」が終了した2014年以降、新宿アルタの「スタジオアルタ」は使用頻度が減少。かつては生放送の拠点であったものの、テレビ業界の収録スタイルが変化し、ここを使用する番組も減っていました。
3. 新宿の再開発
新宿駅周辺では大規模な再開発プロジェクトが進行しており、「新宿アルタ」もその流れの中で変化を余儀なくされました。今後のビルの用途については未発表ですが、新たな形で活用される可能性があります。
閉館後の「新宿アルタ」はどうなるのか?
新宿アルタの所有者であるダイビル株式会社は「現時点で具体的な再開発の計画は決まっていない」と発表しています。ただし、新宿駅東口という一等地に位置するため、今後は商業施設やオフィスビルとしての再活用、あるいは大規模な再開発の対象となる可能性もあります。
おわりに
「笑っていいとも!の舞台」として、日本のバラエティ文化の一時代を築いた新宿アルタ。閉館は多くの人にとって寂しいニュースですが、長年の役割を果たしたこの施設が今後どのような形で新たな歴史を紡いでいくのか、注目が集まります。
「新宿アルタ、長い間お疲れ様でした!」――多くのファンがそう語りながら、44年間の歴史に別れを告げました。
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